U−19日本代表を3日間見学して


 千葉県市原市のスポレクパークでU−19日本代表が合宿をしているという情報が入り12日の午前中と、 13日午後の対ジェフ戦と、14日の最後のトレーニングをスタッフ数名で見学に行った。ワールドカップが終わり、 A代表の監督となったオシム氏がU−19年代を含む若手を積極的に招集していること。ニュースではU−16が アジア予選を突破し来年行われるU−17ワールドカップ(改名)への出場権を獲得したとの報道もあった。 その中でのU−19代表の合宿とあって、さぞ世界に近い意欲的な合宿が展開されているものと期待していた。   アップ後、3色が2色対1色になるタッチ数の少ないボール回しが展開された。その後4対3+遅れてディフェンスが 1人加わる4対4が展開され、人数を増やしフリーマンの加わったトレーニングが行われた。テレビカメラが数台、 報道陣も20名弱集まっている中でのトレーニングの内容と雰囲気は愕然とするものだった。決まり切った攻撃のパターン。 単純にボールを動かすプレーの連続。低いレベルのミスまたミス。見学している私達にも次のプレーが予測でき、 「本当にこれで良いの?」「世界で通用するのか?」という会話で終始した。監督らしき方は、サイドから後方に 落としたらダイレクトで中央にボールを放り込むように指示されていた。ハーフナーマイクの高さは誰が見ても 武器になることは理解できたが、しかし……。2時間のトレーニングで、個人が突破するような場面はほとんど無く、 私達のような見学者の予想を超えたプレーは皆無だった。まだメンバーが確定したわけでもなく、選考途中の 合宿にしては「こんなぬるいもので良いんだ?」と驚いて車に移動するとダウンがはじまった。 「対戦国の力がどれだけなのか分からないけど、アジア突破ができるのか。突破したところで世界には 通用しないのではないか。」と感じた。良いところだけを切り抜く新聞やテレビの報道では、合宿のぬるさは伝わってこない。  13日の午後、天候が良くなかったためトレーニングを中止にして16時からはじまるU−19対ジェフサテライト、 18時からはじまるU−19対ジェフトップの試合をスタッフ全員で見学に行った。見たかった内容は、 前日見たトレーニングが実際のゲームでどれだけ生きるのか。ジェフトップの試合にも興味があった。 運動量があり、力を抜いてプレーしているジェフトップに対して、後半まで運動量が落ちなかったと新聞等では 報道されているが選手たちは前日のトレーニングのイメージで攻撃するものの、その様なシーンでは全く相手を 崩すことができず、U−19側が観客を沸かせたのは梅崎や伊藤翔達の個人の力だった。  「マサどうする?明日の最終日見に行くか?」「トレーニング通りに選手が攻撃したのに全く形にならない。 明日のトレーニングでどのように修正するのか気になりますね。」「じゃ、行くか。」翌日もパラパラと雨が降る中、 最後のトレーニングを見学に行った。Jリーグのあるチームのスカウト部長と一緒に約1時間半いろいろなことを 伺いながら見学した。ちょうど良かったので私共末端のレベルでの質問をいくつもさせていただいた。 「昨日の試合を見て、U−19に選ばれている多くの選手がジェフトップの試合ではボールを持つことに余裕がないこと。」 「サテライトと対戦したU−19のサブ選手に至っては、ボールを持てば選択肢が一つしかないような選手も多く、 ボール配球マシーンのようになっている選手がいること。」トップチームとU−19では経験の差があることは伺ったが、 「実際にJの試合を見ても、それだけボールを持たせてくれるチームも少なく、このU−19の日本代表で招集された 段階できないことが、できるようになる時間を与えてもらえるほど長く雇用してもらえるとは到底思えないこと。 私達末端の指導者は、もっと個性のある選手を育てなければいけないのではないかと言うこと。」 「実際にU−13の頃から知っている選手がピッチにいて、逆にボールを動かすことばかりが優先され、 選択肢が少なく視野が狭くなり、個人の良さが消えてしまっていること。」いろいろな質問をさせていただき、 プロの目からのご意見を伺った。U−19代表監督と同窓であるその方からは、普段聞くことのできないお話を伺うことができた。  U−19代表の選手たちには今後ケガをすることなく、国内の選考に残ってアジア予選を突破して欲しい。 プロにはなれたが、残念ながら数年後J1の名簿から外れる選手も多いだろう。自分のチームに戻れば、 チームとしての戦術もあるだろうが、ジェフトップとの試合での個人の力の差を痛感して、 プロで生き残れるように個人の力を必死になって上げたほうが良い。格上の相手に個人の力を見せることのできた 梅崎や伊藤は更に上を目指して欲しい。私達にとって何をおいての収穫は、ジェフトップの試合がとても 面白かったと言うことだ。阿部・水野・楽山・羽生……。「マサ、今度時間をつくってお金を払ってジェフの試合を見に行こう。」 と帰りの車の中で話をした。

                                    (熱血)