負け癖の功名!


  私共のチームは結果でホームページを華やかにする手法はとらない。その時期に多少ボールを扱えたり、速かったりする選手が 集まり、チームとして更なる結果が出るかもしれないが、リスクの方が大きいと考えているからだ。昔、あるチームが中学1年生 の大会で全国優勝を成し遂げた。その選手達が中学3年生になった全国大会をJヴィレッジまで見学に行った。 勘違いした保護者の応援は聞くに堪えないものだった。到底私共のチームは全国優勝などほどほど遠いものではあるが、 数百人を超える観戦者のほとんどが、試合内容と一部保護者の応援にしらけていた。Jクラブのスタッフ、町クラブの関係者、 スカウトに来た高校の監督は山ほどいた。「終わっているな」このチームという本当に冷めた雰囲気が漂っていた。私達の携 わっているのはキッズ・ジュニア・ジュニアユース年代、いろいろな考えがあるだろうがチームの結果以上に個人を重視したい。  「面白すぎます。」「ボールはほとんど持っています。」「負けましたが全く問題ありません。」と、ジュニアの県大会の 情報が入って来る。勝つことはかなり難しい。なぜなら前に蹴り込まないため、なかなか進まないからだ。敵に取られて ボッコリ蹴られる。また自陣から一生懸命トレーニングで身に付けたドリで。それは難しいに決まっているのである。 「みんなドリしてた?」「してました。」「急いでなかった?」「ゆっくりドリしてましたよ。」「良かった。それで良いよ。」みたいな会話 があり、選手全員の様子を聞いて終わる。現中1が小学4年の時組み合わせの妙で県大会決勝まで進み準優勝してしまった。 今でこそ話せるが、勝ち上がっていく過程で保護者が勘違いしないかスタッフは本当に危惧していた。幸い保護者に恵まれ、 勘違いする方は出てこなかったようだ。  早い段階でたまたま結果を残すことをクラブの責任者である私は最も恐れている。1つは、保護者の勘違いと更なる 成績への期待。2つ目はサッカーという競技と選手個々の成長を見る「保護者の楽しむ目」を育てることができないからだ。 この年代で成績の残せるチームを選ぶ方はそちらに行けば良い。この年代で結果は出なくても「上手くなりたい」と思う選手が 集まってくれれば良いのだ。かなり難しい要求だが、意思統一できるスタッフに恵まれて本当に感謝している。   「負け癖の功名」は大きい。本当にサッカーという競技を楽しんで見てくれる保護者は日本全国にどれくらいいるのだろう。 負けた試合でも、自分の子供のアイデアや判断を楽しめる保護者がどれくらいいるのだろう。一番変化の大きいのはジュニア からジュニアユース年代だ。我が子が可愛いなら、勝ち負けに一喜一憂している場合ではない。もう一度クドク書くが、 勝ち負けに一喜一憂している場合ではないのだ。本人の表現を評価してあげること。何よりもそのような目を持つことが大切な のではないか。  以前どこかの掲示板を私共のチームの中傷が賑わせていたらしい。私個人についての中傷もありますと若いスタッフが話していた。 「県大会に出てほとんど1回戦で負けるようなチームを話題にするなよ。」と佐々木や鈴木と大笑いした。勝負はジュニア・ ジュニアユース年代ではないと思っている。本格的に力を発揮できるのはユース年代以上で良い。技術を身に付け、生涯 スポーツとしてサッカーを楽しむ人間が増えても良いのだ。「やって楽しい。観て楽しい。それがサッカーや。」と高田の中瀬古 先生は話される。本当に気がついて良かった。サッカーって本当に楽しいし素晴らしい。それに取り組む子供たちはなおさらだ。 周囲の大人が一番問題なのだ。

                                    (熱血)